「にっぽん清流ワンダフル紀行」という番組がNHKで始まっていた。毎週ひとりの俳優がカナディアン・カヌーに犬1匹を連れて清流をのんびり漕いで下っていく場面がただ映し出されるというもの。

最初は偶然四万十川編をちょっと見た。四万十川は漕いでいる風景を映すだけで絵になる風光明媚な川だ。画も当然美しい風景を映し出していたが、印象に残ったのはそんな美しい風景ではない。川の真ん中に突き出ている島のような大きな岩(軽自動車ぐらい)にカヌーを漕ぎつけ、その上に上って寝そべっているシーン。
ナレーションは語る。
「あたかも四万十の支配者のような気分になる」
そうそう、そういう気持ちもわかるね、川を下っていると。川の水面には自分ひとりしかいないような状況、自分ひとりでこの美しい風景を独り占めしていると感じたときは、支配者とまで言わなくとも、主ぐらいには思うかな。
番組は川の美しい風景を美しく映すだけのありきたりな設定ではない。むしろ、カヌーに乗ってこそ見えてくる川の身近な美しさ、親しみやすさを伝えようとしているのではないか。
昨日みた岡山県の旭川編では、なんでもない河原に上陸して流れ着いたクルミの実を探し出そうとする場面がー。川ではこんなことでも探検気分に浸れるんだよね。
道路から見下ろす川はただの水の流れに過ぎない。しかし、水面から見る川の光景は−いいかえれば表情ともいえるが、まったく別世界だ。水面数十センチからの視界に沿って下流に平衡移動していく−つまり流れていく−このなんでもないことが新しい発見に満ちていることを番組はさりげなく伝えている。
次回放送予定は、BS2なら 6月 1日(木)午後11:30〜午後11:55(25分) 。ハイビジョンでも放送。
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